新潟の栃尾柔道倶楽部が「柔道あそび6」を開催
新潟県の栃尾柔道倶楽部は、2023年4月16日、誰でも参加することができる柔道体験イベント「柔道あそび」を開催しました。そこで栃尾柔道倶楽部の河井大介先生にお話を伺います。
司会:栃尾柔道倶楽部について教えてください。
河井:栃尾柔道倶楽部は、戦争が終わったあとに、柔道が好きな人たちが集まって、町の道場で練習を始めたことが始まりです。昔は、80人以上の子どもたちが柔道倶楽部に入っていましたが、だんだん子どもたちの数が減ってきました。11年前、近くの中学校では柔道部がなくなりましたが、栃尾柔道倶楽部では中学生まで練習できる環境が整っています。今年度は中体連の大会にクラブチームとして登録しています。たくさんの課題がありますが、みんなで協力しながら、今できることやこれから必要なことを考えて活動を続けており、それが、栃尾柔道倶楽部の強みだと思っています。
司会:発達障害に関心を持った理由を教えてください。
河井:7,8年前、幼児クラスを指導していたとき、ちょっと動きが違う子が来ました。どのように指導したらいいか分からなくて困っていたところ、特別支援学校の先生と知り合いになり、その先生から柔道が発達障害に対して様々な良い効果があることを教えていただきました。そのことがきっかけとなって、もっと勉強するようになり、新しい考え方を取り入れてプログラムを作るようになりました。
司会:なぜ今回の体験イベントを実施しようと思ったのでしょうか。
河井:柔道は街を歩いても見かけることはありません。それに気づいたのは野球チームの練習を見たことでした。街を歩いていたら野球やサッカーをする子どもたちの元気な声が聞こえてくるけれど、柔道は聞こえてない。このような状況では柔道を広めることは難しいと思いました。そこで、柔道場に来てもらえるよう、柔道場で子供が楽しい体験をするイベント「柔道あそび」を開くことにしました。今回は6回目になります。
司会:どのような準備をしましたか?
河井:これまで開催したイベントを振り返り、課題を改善して、チラシを作ったり、プログラムの内容を作ったりしました。チラシは近隣の保育園や小学校に配布して、SNSを使って案内しました。
司会:当日はどのようなことをしたのですか。
河井:ゲームのように楽しいイベントになったらと思い、参加者には「ミッション」が与えられ、ミッションの達成を目指すというイベントになっています。ミッションの内容は、トレーニング遊び、リングを使った柔道ゲーム、回転運動、礼法などです。そのほか、独自に作ったオリジナルキャラクター「JUDOベジタブル’s」の塗り絵をしたりキーホルダーを作ったり、インスタフレームを作って写真撮影をしたりしました。
幼児や小学生15名に参加いただき、楽しいイベントになりました。
当日の様子を動画でまとめたので、詳しくは以下の動画をご覧ください。
司会:イベントを振り返っていかがですか。
河井:アンケートを取りましたが、保護者の8割がイベントだけでなく通常の練習のほうにも参加したいと回答しており、子供たちも「楽しかった」「また来たい」と回答していました。
また、これまでのイベントでは、柔道場を見て不安を感じて、入り口で留まる子供が多かったのですが、オリジナルキャラクター「JUDOベジタブル’s」が子供達に質問をしたりして、道場内にうまく誘導できたので、以前のイベントの課題を解決してうまくできたと思います。
また、初回のイベントから参加している発達凹凸の子供がおり、その子は怖がってこれまでは畳の上になかなか上がれなかったのですが、今回は最初から畳の上にあがってミッションを最後までクリアしました。 その子の成長を感じた瞬間であり、イベントを継続して開催してよかったと思いました。
また、2023年4月25日付の栃尾タイムズに掲載いただきました。