新潟の鳳雛塾が「J.J.P.P体験会」を開催
新潟県新潟市の鳳雛塾は、2023年4月8,9日、誰でも参加することができる柔道体験イベント「J.J.P.P体験会」を開催しました。鳳雛塾の星野力先生にお話をお伺いします。
司会:なぜ発達障害に関心をもつようになったのでしょうか。
星野:忘れられない生徒がいます。素質があり、柔道が得意で、とてもいい子でした。小学5年生のとき試合で膝を怪我してしまい、柔道の練習もできなくなりました。すると、様々な問題を起こすようになったのです。小さかったので膝の手術はできませんが、テーピングを巻いて柔道を再開したら問題行動は止まりました。中学3年生のときに膝の手術をすることができ、高校でも柔道を続けましたが、膝の手術で柔道ができなくなったらまた問題行動を起こすようになりました。その生徒が高校生のとき、発達障害があることが分かりました。以前から、柔道の稽古を続けているときはいい子なのに、柔道の稽古ができなくなったとき問題行動を起こしているのは何故なんだろうと思っていたのですが、このとき、発達障害に対して柔道がよい効果を与えていたのではないか、と思いました。
発達障害の特性から問題行動を起こしてしまう子供達がいると思います。彼ら彼女らが問題行動を起こさないよう指導者は学び、彼ら彼女らが柔道を続けるできる環境を作っていくことが大事だと思いました。
司会:当日のイベントについて教えてください。
星野:様々な人に柔道を楽しんでもらうためには「道場にきて楽しかった」と思ってもらうことが大事だと思っています。そこで、日本スポーツ協会の運動遊びをベースにしたプログラム「アクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)」を参考にして、J.J.P.P(楽しい柔道あそびプログラム:Joyful Judo Play Program)を作り、2023年4月8日、9日、新潟市の白根カルチャーセンターでJ.J.P.P体験会を開催しました。
J.J.P.P体験会には2日間でのべ10名の子供が参加し、楽しく遊びながら柔道を学びました。最初にキャッチボールをしたり、バランスゲームをしたりしました。それから、リングを使って投げる練習をしました。リングを使うことで、初めて柔道をするときの怖さを減らせます。転がる練習もしました。受身を教えるとき、畳を叩く前にまず転がることができるようになることが大切だと思っています。最後に、「ありがとう」という言葉を練習しました。柔道の練習中にたくさん言うことで、感謝の気持ちを大切にすることを教えています。体験会が終わった後も、子供たちから「ありがとう」と言われました。
これからも、もっとたくさんの子供達に柔道を知ってもらいたいと思っています。