柔道クラブの生徒に発達障害を分かりやすく伝えるには?セサミストリートのジュリアに注目!
4月2日の世界自閉症啓発デー、4月2日から8日までの発達障害啓発週間に当たり、少年柔道クラブや柔道部の先生から
「うちの生徒に発達障害について分かりやすく伝えたいのだが、どうしたらいいだろうか?」
というご質問をよくいただいています。
小学校低学年の生徒、高学年の生徒、さらには中学生も一緒になって稽古している場合、年齢によって理解力がバラバラ、集中して話を聞くことができる時間も異なるうえ、柔道場はモニターや黒板がないところが多く、生徒が集まっていることができる時間も限られているため、指導者は大変だと思います。
私たちプロジェクトメンバーも情報を集めているので、この記事を読んでくださっている皆様から、おすすめの教材があったり、「こんなことをやってみた」という実践があればぜひ教えていただきたいのですが、
世界自閉症啓発デーのポスターやパンフレッドに登場するキャラクター、セサミストリートのジュリアに注目してみるのはいかがでしょうか。
セサミストリートは、世界150か国以上の国と地域で放映、幼児教育の専門家らが総力を挙げて制作しているアメリカ発の子供向け教育番組。このセサミストリートに2015年から、自閉スペクトラム症のキャラクター「ジュリア」が登場しています。
1. 紙の資料を配布
生徒が集まって何かできる時間は限られているので、分かりやすい資料を渡して短時間で説明したいとき、世界自閉症啓発デー日本実行員会が制作したリーフレッド(A4サイズの三つ折り)が使いやすいと思います。
自宅のプリンターなどで印刷して渡すことができます。
資料(PDFのデータ)は、世界自閉症啓発デー実行委員会のサイトに掲載されています。2022年度版のリーフレッドはこちら(PDF)。
2022年3月21日(月)、長野県安曇野市の安曇野市柔道クラブで受身あそび教室を開催されたとき、主宰する柿本聡先生が生徒にこのリーフレッドを印刷・配布され、このような資料があることを教えていただきました。
2.動画
モニターやスクリーンを使って生徒と一緒に映像を見ることができたり、スマホやタブレットを持っている生徒に「これを見ておいて」と動画を送ったりすることができるときは、こちらの①,②の動画を。
①はセサミストリート、②は日本の小学校5年生の女の子が、ジュリアのサポートを得ながら、クラスの友達と理解を深めていくNHK制作の動画です。
①【小学校低学年向け】セサミストリート:Meet Julia・ジュリアの紹介【日本語吹替版】
約10分の動画で、ジュリアと友達のやり取りを通じて、自閉スペクトラム症の特長がわかりやすく解説されています。
②【小学校高学年~大人向け】NHKの教育番組「バリバラ×セサミストリート」
- バリバラ×セサミストリート前編(約10分)
- バリバラ×セサミストリート後編(約7分)
日本の小学校5年2組の女の子、ゆりちゃんが登場。友達とコミュニケーションがうまくいかないことを悩んでおり、その悩みをセサミストリートの「ジュリア」に相談。ジュリアは、ゆりちゃんの相談にのったうえ、クラスの友達がゆりちゃんを理解するためにサポート。ゆりちゃんとクラスの友達が話し合って、お互いの理解を深める様子が描かれています。
ゆりちゃんは友達と仲良くしたいのに、クラスの友達はゆりちゃんのことを「話しかけても会話が途切れるので別のことを考えているのかな」と思っていたり。この5年2組のクラスの状況を少年柔道クラブだと思ってみると、いろいろな気づきを得られると思いました。
3.絵本で読み聞かせ
道場で読み聞かせをする場合、絵本「みんなステキ1、2、3」があります。セサミストリートのホームページに掲載されており、PDFでダウンロードできます。道場で読み聞かせをする場合は、A4サイズだと小さいので、コンビニのコピー機などでA3サイズに印刷すると見やすくなると思います。A4サイズで印刷して、読みたい生徒が好きに読めるようにしておくのもいいですね。
以上、「うちの生徒に発達障害について分かりやすく伝えたいのだが、どうしたらいいだろうか?」というご質問に対して、生徒の皆様に参考になりそうな資料でした。
おススメの教材があったり、「柔道クラブでこんなことをしてみた」という実践がありましたら、ぜひ教えていただけたらありがたいです(文責・プロジェクトスタッフ)。
参考資料
WEB:サミストリートのジュリアのページ
ジュリアの動画、記事、絵本などがまとめられています。
WEB:NHKの「【特集】発達障害って何だろう」
NHKの発達障害についての記事がまとめられています。
書籍「発達が気になる子が輝く柔道&スポーツの指導法」
judo3.0が制作した教材です。